モグニャンのあまりよくない評判に「モグニャンを与えたら血尿がでた」「結石になりやすい」というものがあります。
こういった結石に対する危険性とは反対に「モグニャンは結石の予防におすすめのキャットフード」と紹介しているサイトもあります。
尿路結石は猫が発症しやすい病気の一つで、毎日の食事や生活環境でコントロールを心掛ける必要があります。
モグニャンは尿路結石を予防するための療法食ではないので、モグニャンだけ与えておけば大丈夫という考えは危険です。
また、モグニャンを食べると尿路結石になってしまうわけでもありません。
そこで、どんな猫がモグニャンを食べると尿路結石の危険性があるのか?など、まとめましたので参考にしてください。
モグニャンで尿路結石を予防できるはウソ?

モグニャンの原材料にはクランベリーが入っているから結石の予防にはいいって聞いたけど本当なの?

う~ん、これは食べないよりも食べたほうがいいレベルだと思うぞ。
クランベリーは膀胱炎や結石の予防に与えても、それだけで予防はできないからな
モグニャンのネット情報の中には、モグニャンにはクランベリーが入っているので猫の尿路結石対策におすすめですといった情報もありますが、結石になった猫や尿のph値が高くなりやすい猫に与えてはいけません。
猫の結石の原因は?
モグニャンを食べると尿がアルカリ性に傾きやすく、ストルバイト結石になった書き込みをみかけますがこれは誤った情報です。
猫の結石は
- 水分摂取量が少ない
- 塩分の多いおやつを与えている
- 運動量が少ない(肥満傾向にある)
- ストレスを感じやすい環境
こういった様々なことが原因となって引き起こされる病気です。
結石のリスクを減らすためには、キャットフードだけではなく、生活全般の見直しが必要になってきます。
モグニャンは結石になりやすい?マグネシウム量はどのくらい?
「モグニャンを食べだしてから尿がアルカリ性に傾いた」
「モグニャンを食べてみたけど塩分量が多い気がする」
こんな書き込みをみると、愛猫の尿石症を心配する飼い主さんは気になりますよね?

モグニャンって、マグネシウムの量が多いからダメだよって聞いたことあるんだけど、本当のところどうなの?

う~ん、マグネシウムが多い食事をしてると結石になりやすいって話だろ。
でもな、モグニャンの成分表をいくらみても。マグネシウムの数値はそんなに高くないんだな
そこで、モグニャンに危険なほどマグネシウムの値が大きいのか?AAFCOや他のキャットフードを比較してみました。
モグニャンとAAFCOの成分値からマグネシウムを比較
成分 | モグニャン | AAFCO(維持期) 最小値 |
AAFCO(妊娠・授乳・成長期) 最小値 |
粗たんぱく質 | 30% | 26.0% | 30.0% |
脂肪 | 16% | 9.0% | 9.0% |
カルシウム | 0.62% | 1.0% | 0.6% |
リン | 0.53% | 0.8% | 0.5% |
ナトリウム | 0.30% | 0.2% | 0.2% |
マグネシウム | 0.12% | 0.08% | 0.04% |
カリウム | 0.80% | 0.6% | 0.6% |

モグニャンの数値とAAFCOの数値をみてみると、モグニャンのほうが値が大きいけど大丈夫なの?

うん、これはよく勘違いしちゃうんだけど、AAFCOの数値は最低限の含有量を記載しているんだな。
AAFCOに記載された数値よりも下の数値だった場合はキャットフードとして問題があると考えるため、モグニャンの成分値には特に問題はありません。
モグニャンと他のキャットフードのミネラル成分を比較
猫の尿路結石(ストルバイト結石)の予防のためには、マグネシウムの含有量が少ないものを選ぶべきだと言われています。
とはいえ、マグネシウムは猫の骨の形成など健康を保つためには必要な成分のため、控えすぎるのはよくありません。

過剰でもダメ。少なくてもダメってことなら、モグニャンのミネラル分はどこを基準にすればいいの?

うん、そんなときには他のキャットフードと比較するのがいいんだな。
モグニャン | カルシウム:0.62% リン:0.53% マグネシウム:0.12% |
ロイヤルカナン(FHNインドア猫用) | カルシウム:0.9% リン:0.76% マグネシウム:0.1% |
ニュートロ(室内猫用アダルトチキン) | カルシウム:0.9% リン:0.8% マグネシウム:0.15% |
サイエンスダイエット(インドアキャット成猫用) | カルシウム:0.5% リン:0.45% マグネシウム:0.075% |
アイムス(インドアキャット成猫用 チキン) | カルシウム:1.1% リン:1.1% マグネシウム:0.10% |

こうやって比べてみると、モグニャンは特別マグネシウムの量が多いわけじゃないのね

うん、そうなんだよ。だから尿路結石に問題がない猫に与えるのにはモグニャンは問題はないんだな
モグニャンのマグネシウムの量が多いといった情報もありますが、他社のキャットフードの成分をみても特に多いわけではありません。
モグニャンで尿路結石にさせない!注意が必要な猫は?
猫の尿路結石(尿石症)は、猫下部尿路疾患(FLUTD)の症状の一つで、猫が多く発症するのが
- ストルバイト結石症(尿石症)
- シュウ酸カルシウム結石症(尿石症)
この2つですが、モグニャンを与えるのに注意が必要なのは、おしっこがアルカリ性に傾くことでできるストルバイト結石です。

尿路結石は、去勢後の太ったオス猫が発症しやすい病気なんだ
モグニャンを尿路結石の予防に適したキャットフードとして紹介しているサイトもありますが、モグニャンはPhコントロールにためのキャットフードではなりません。
ストルバイト結石の猫、ph値に注意が必要な猫には与えないでください。
モグニャンは尿がアルカリ性に傾きやすい猫には与えない
尿がアルカリ性に傾くことで、リンやマグネシウムが結晶化し結石となるのがストルバイト結石です。
ストルバイト結石にならないためには、尿のph値を上げる原因となるマグネシウムの過剰摂取を避けることが予防の一つとしてあります。
モグニャンの成分値を確認する限りでは、アルカリ性に傾くほどマグネシウムは多くなく、AAFCOの数値と比較しても問題はありませんでした。
モグニャンを食べてからph値が高くなった猫もいることから、過去にストルバイト結石になった猫、膀胱炎になりやすい猫に与えないほうがいでしょう。
- 一度でもストルバイト結石になったことがある
- 尿がアルカリ性に傾きやすい猫(とくに若いオス猫)
このような猫にはモグニャンを与えるのはやめておいたほうがいいと考えられます。
関連記事>>>モグニャンを去勢後の猫に与えるときの注意点
モグニャンはシュウ酸カルシウム結石の予防には与えてもよい
尿が酸性に傾くことで、カルシウムが結晶化し結石となるのがシュウ酸カルシウム結石です。
モグニャンには「アルカリ性に傾きやすい」といった情報があることから、シュウ酸カルシウム結石の予防には期待できると考えられます。
まとめ
「モグニャンを食べて愛猫の体調が悪くなったりしないのかな?」
家族として新しいキャットフードに切り替えるときには、安心安全なフードであることを最優先に考えるものです。
モグニャンの原材料や添加物をチェックしてみましたが、猫の健康に問題が起きるようなものは使われていませんでした。
モグニャンを食べると尿路結石になるわけではありませんが、尿がアルカリ性に傾きやすいといった点から
尿路結石になりやすい猫(去勢後の若いオス猫)尿路結石になったことがある猫には与えないほうがいいでしょう。